合同会社 大江会計事務所 河野末嗣税理士事務所  
かわの行政書士事務所

 

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税理士・行政書士 河野末嗣

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新会社法について

  平成18年5月から新会社法が施行されています。
       http://www.moj.go.jp/HOUAN/houan33.html

  そこで、これから中小会社を設立しようと考えておられる起業家や、現に
 有限会社や株式会社を経営しておられる経営者にとって係わりがある主な特
 徴点について解説します。
(1) 自由な機関設計が可能になりました
 株式会社の機関は、株主総会、取締役、取締役会、監査役、監査役会、会計監査人、 会計参与など会社を運営する組織のことです。新会社法では、会社の実態や業務展開を考慮して自由に機関設計ができるようになりました。
 通常株式会社は、中小会社で、すべての株式に譲渡制限をを設けている会社(非公開会社)が殆どですので、それを前提として解説します。次の表で採用可能な機関設計を考えてください。

@ A B C D E F G H I J
株主総会
取締役
取締役会
監査役
監査役会
会計監査人
三委員会
会計参与
@が従来の有限会社に相当します

Eが従来の株式会社に多く採用されていました

株主総会及び取締役は必置です

AとDの監査役は会計監査限定です

Jの三委員会は指名委員会、監査委員会を置く委員会設置会社です

会計参与はGの場合のみ必置です


(2) 取締役1名の株式会社が設立可能になりました
  旧商法では取締役3名以上と監査役1名以上を置く必要がありました。そのため 取締役1名の場合は有限会社を設立していました。新会社法により、取締役1名での株式会社設立が可能になりました。株式会社ですので株主総会は必置です。

(3) 資本金1円で株式会社の設立が可能になりました
 創業を促進する観点から最低資本金制度が撤廃され、資本金1円でも会社設立ができます。しかし資本金は1円でいいのですが、会社設立費用は最低30万円程度かかかります。また、資本金1円では会社としての信用が低いため、金融機関からの融資が受けにくいので、やむを得ない事情がある場合を除き、資本金は最低でも会社設立費用以上の額を確保するようにしましょう。

(4) 資本金の払い込みが簡単になりました
 旧商法における設立手続きで、資本金を金融機関に払込み、「払込金保管証明書」を取得する必要がありました。金融機関は証明する責任上、証明書の発行を断る場合があったことや、発行までに時間や費用がかかるという問題点がありました。
 新会社法では、「払込証明書」で代替できるようになりました。発起人代表者の口座に出資者が資本金の払い込みを行い、代表者がその払い込みがあったことを証明します。払込証明書作成の場合、金融機関に依頼する必要はなく、従って時間も費用もかからない上、登記完成前に資本金を事業のために利用することができるようになりました。

(5) 現物出資が容易になりました
 資本金の払い込みは必ずしも現金である必要はありません。現金以外の動産や不動産、有価証券などで出資を行う方法を現物出資といいます。現物出資を行う際には、原則として検査役の調査が必要です。ただし、現物出資の金額が500万円以下の場合には、検査役の調査は免除されます。また、市場価格のある有価証券の場合も検査役の調査が免除されます。
 現物出資を行うには、500万円以下の場合でも、取締役が現物出資したものの価格を調査し、それを証明する調査報告書を作成する義務があります。

(6) 株主総会
 株主総会は、開催の日時、場所などを取締役会で決定し、代表取締役が召集します。取締役会の設置がない場合、取締役がこれらの手続きを行います。取締役会のない会社では、株主総会での議題提案の行使が可能です。株主総会は常設の機関ではないので、会社の意思決定をどの機関に委ねるかは重要な問題です。

(7) 取締役の任期
 非公開会社の取締役の任期は最長10年です。しかし、取締役を任期の途中で解任する場合には、正当な解任自由がないと、任期の残存期間の役員報酬額に相当する損害賠償請求がなされる可能性があります。会社の置かれた状況を的確に把握し、会社にとって最も適した任期を設定する必要があります。

(8) 取締役の選任・解任
 取締役になれないのは、法人、成年被後見人、被保佐人などや、証券取引法・破産法などで刑に処された者で刑の執行が終わり、または執行を受けなくなって2年を経過しない者などです。また、破産者で復権していない者は、復権前に新規に会社を設立して取締役となって再起を図ることができるようになりました。
 取締役の解任が容易になりました。選任と同様に株主総会において出席株主の過半数(普通決議)でできるようになりました。

(9) 取締役の責任が過失責任に軽減されました
 法令や定款違反行為、違法配当、利益供与、競業取引、利益相反取引などについて従来の無過失責任から過失責任に軽減されました。故意過失があった場合のみ損害賠償責任を負うこととなります。

(10) 書面や電子メールによる持ち回り取締役会決議が可能になりました
@ 取締役が提案した決議事項について、取締役全員が書面または電子メールなどで同意していること
A 監査役が異議を述べていないこと(監査役が設置されていない場合は不要)
 これらの要件を満たすときに取締役会の書面決議が認められます。但し、定款により予め定めておく必要があります。

(11) 監査役の権限強化と、監査役の非設置について
 監査役の権限は、原則として業務監査と会計監査の両方を有しています。しかし、5例外として、中小会社で非公開会社の場合には、定款で会計監査権限のみに限定することが可能です。また、監査役の任期は最大10年に伸長できます。
 中小会社で非公開会社が取締役会を設置していない場合や、中小会社で非公開会社が取締役会を設置しているが会計参与も設置している場合などは監査役を置かなくてもいいことになっています。

(12) 株式の譲渡制限と売渡請求
 不特定多数から資本金を集めるため、原則として株式は自由に譲渡できます。しかし、中小の株式会社は株式の譲渡制限をして安定経営を行いたい会社が殆どです。
 従来は株式の譲渡には取締役会の承認を必要としていましたが、新会社法では、取締役会を設置しない株式会社の存在を認めましたので、株式譲渡制限機関として株主総会が加えられました。また、定款に定めれば、代表取締役など他の機関でも承認す  ることもできるようになりました。
 相続、合併による株式取得によって、会社に不都合な株主の出現を防ぐために、定款に規定を置くことにより、相続、合併により株式を取得した新株主に対し売渡し請求ができるようになりました。

(13) 新株発行が容易になりました
 新株発行方法としては、
@株主割当発行(株主に新株引受権を付与する方法)
A第三者割当発行(株主以外の第三者に新株引受権を付与する方法)
B公募・募集(誰にも新株引受権を付与しない方法)
の三つがあります。

 株主割当発行は、定款に定めておけば取締役会の決議(取締役の判断)で行うことができます。定款の定めがないときは株主総会の決議が必要です。

(14) 自己株式の取得規制が緩和されました
 自己株式の取得は、定時株主総会だけでなく、臨時株主総会における決議でも可能となりました。また、非公開会社においても、すべての株主から申し込みを受ける公開買付に近い方法であれば、株主総会の普通決議で取得できるようになりました。

(15) 新しい会社形態
(@) 合同会社(LLC)
 意思決定方法や利益の配分が自由に決定できる特徴があります。少人数で、共同で事業を始める場合に、簡単な設立方法で費用もかけたくない、ルールに縛られない自由な会社運営をしたいとお考えの方にお勧めできます。合同会社は定款を作成しても、公証人による認証が不要であるため、株式会社より安く設立することができます。
(A) 有限責任事業組合(LLP)
 民法上の無限責任を負う組合とは異なり、有限責任にとどめられている組合のことです。しかし、あくまで組合ですので会社形態としての法人格はありません。したがって、法人名での銀行口座が作れません。また特徴として、合同会社のように、利益の配分を自由に決定できます。

(16) 合名会社・合資会社
 合名会社は、会社の債務につき、会社の債権者に対して、直接、無限の責任を連帯して負担する社員のみで構成される持分会社です。
 合資会社は、会社の債務につき、会社の債権者に対して、直接、無限の責任を連帯して負担する社員と、出資の価格を限度として直接、連帯の責任を負担する社員との、二元的組織の持分会社です。
いずれも社員間の人的信頼関係が非常に強い会社です。


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